全国に400件以上の納入実績を誇る排水処理のスタンダード。 槽内に固定した担体上の微生物の働きにより、活性汚泥法の5~10倍の処理能力を発揮します。
回転児雷也って何?
-原理- 高性能担体と連続洗浄機構
「回転児雷也」は固定床式(接触ばっ気式)排水処理装置です。槽内に微生物を保持する担体を充填し、担体表面上の微生物の働きにより水質を浄化します。活性汚泥法のように汚泥濃度を管理する必要がなく、返送汚泥もありません。溶存酸素濃度も厳密な管理は必要なく、専門的な知識がなくても安定した運転が可能です。
表面積の大きな高性能担体と連続洗浄機構により、固定床の重大な欠点である槽の閉塞を完全に防止し、5~15kg-BOD/m3・Dもの高負荷運転が可能にしました。
1.高性能担体U-PAC
生物膜式(固定床)の排水装置は装置は槽内に充填する担体の表面積を大きくして、多量の微生物を保持することが重要です。しかし、あまり微細な構造にすると、過剰に生育した微生物により槽全体が閉塞し、運転不能に陥る恐れがあります。回転児雷也で使用しているU-PACは生物膜排水処理装置用に最適化された高性能担体です。
2.連続洗浄機構
回転児雷也の散気管は空気供給器から垂直に下降する主管と、これと直交する枝管とから構成されており、主管を中心として回転するようになっています。担体に直接散気空気があたることで過剰に生育した生物膜を剥離することができます。回転散気管が回転すると、直接散気空気があたるポイントも移動し、連続的な洗浄(剥離)を実現することができます。従来の生物膜式排水処理法では、過剰な生物膜を逆洗により剥離しますが、逆洗のたびに水質が悪化します。回転児雷也では連続的に洗浄・剥離を行うため、槽の閉塞を起こすことなく、長期間安定した運転を継続することができます。
回転児雷也実施例1
-実施例1-(既設活性汚泥設備の能力増強)
回転児雷也は既存設備の能力増強を容易に行うことができます。特に活性汚泥法との組合せでは多くのメリットがあります。
1.前処理による負荷低減
回転児雷也は連続洗浄機構(回転散気管)を持つため、高負荷をかけても槽が閉塞することなく、長期間安定した運転が可能です。このため、前段に配置するだけで既存設備の負荷を大幅に低減し、装置全体の処理能力を大幅に向上させることが可能です。
2.コンパクト&工期短縮
回転児雷也は容量当たりの処理能力が高いため装置がコンパクトです。また、ユニット式なので据付け・配管など僅かな現地工事のみで運転が開始できます。設置スペースが少ない場合や既存設備の運転を停止できない場合などでも適用が可能です。
3.汚泥発生量減
汚泥転換率の低い「回転児雷也」で前処理を行うことで、活性汚泥槽の運転が安定すると同時に、装置全体としての汚泥発生量を削減することができます。
4.糸状菌抑制
糸状菌の発生はバルキングを引起し、活性汚泥の運転を困難にする恐れがあります。糸状菌発生の原因には諸説ありますが、特定の物質が糸状菌の発生を誘発することが分かってきています。
一方、回転児雷也内に発生する菌は通常の活性汚泥菌ではなく、糸状菌が優勢になります。このため回転児雷也では糸状菌誘発物質を処理することができ、後段の活性汚泥槽には誘発物質が流入しません。
回転児雷也には負荷低減に加えて誘発物質を除去する効果があるため、後段の活性汚泥における糸状菌発生を強く抑制します。
5.実施例
業 種: | 豆腐など製造業 |
---|---|
排水量 : | 900→1200m3/日に増産 |
既 設: | 活性汚泥槽1700m3 |
原水水質 | |
BOD: | 1200 mg/L |
COD: | 750 mg/L |
S S: | 450 mg/L |
n-H: | 70 mg/L |
容積負荷が0.64→0.85kg/m3・日と増大するため、前段に回転児雷也を設置して能力を増強した。
回転児雷也R-75H型
φ7500×7800H(有効290m3)
回転児雷也容積負荷5.0kg/m3・日
水質
原水 | 放流 | 規制値 | |
---|---|---|---|
BOD: | 1200 | 4 | 10 mg/L |
COD: | 750 | 6 | 9.7 mg/L |
S S: | 450 | 5 | 15 mg/L |
n-H: | 70 | 1↓ | 5 mg/L |
回転児雷也出口でBOD=1200→500mg/Lと58%除去となった。このため後段活性汚泥は容積負荷0.85→0.35kg/m3・日と低減された。
余剰汚泥は30~40%削減、糸状菌は全く発生しなくなった。
回転児雷也実施例2
-実施例2-(直接下水放流)
回転児雷也は余剰汚泥転換率が低いため、処理水のSSを低く抑えることができます。下水放流時は沈殿などの固液分離を行わずに、直接放流も可能です。
1.沈殿槽不要
余剰汚泥転換率が低いため、適切な条件化では発生SS量が下水放流基準を下回ります。そのまま放流することが可能なので、沈殿槽などの固液分離装置が不要となります。
2.廃棄物削減
固液分離を行わないので廃棄物としての余剰汚泥は発生しません。凝集や脱水工程が不要なため設備費・ランニングコストとも大幅に削減できます。
3.容易な運転管理
煩わしい汚泥管理、薬品管理や脱水機の運転がないため、運転管理は非常に容易になります。
4.油分対応
回転児雷也を直列に配置すると、水温が15~20℃以上の時、かなりの油脂を分解することができます。直列配置は前段に大きな負荷がかかり、生物膜が成長する一方、閉塞の恐れが高まります。回転児雷也では連続洗浄機構により、閉塞を抑制することができます 。直列化による油脂排水処理は回転児雷也ならではの技術です。
5.実施例
業 種: | ファミリーレストランセントラルキッチン |
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排水量 : | 360m3/日 |
設 備: | 回転児雷也R-38型(60m3)×2基 |
水質
原水 | 放流 | 規制値 | |
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P H: | 4.8 | 7.3 | 5.8~8.6 |
BOD: | 1080 | 38 | 300 mg/L |
COD: | 430 | 40 | – mg/L |
S S: | 245 | 54 | 300 mg/L |
n-H: | 180 | 3 | 30 mg/L |
廃棄物としての汚泥発生はなし。メンテナンスはスクリーン清掃程度。
回転児雷也実施例3
-実施例3-(回転児雷也+加圧浮上)
回転児雷也の後段に加圧浮上装置を配置することで、ランニングコストを抑えた効率的な処理システムが可能です。
1.後段加圧浮上
通常は生物処理の前段に加圧浮上装置を配置しますが、回転児雷也は高濃度排水でも槽の閉塞がないため、後段に加圧浮上装置を配することが可能です。
2.低ランニングコスト
回転児雷也により負荷を低減してから加圧浮上を行うため、少ない薬剤量で処理が可能です。
3.汚泥発生量減
汚泥発生量も少なくなり、コスト削減が可能です。また、管理作業も軽減されます。
4.下水放流対応
下水放流の場合は後段の加圧浮上を無薬注、又は高分子凝集剤のみの添加とすることができます。無機の凝集剤を使用しないため、水酸化物のフロックが発生せず、汚泥の発生量を大きく削減することが可能です。
5.Super DAF
弊社の「スーパー加圧浮上装置」、高分子凝集剤「デンハーフロック」、「高分子自動溶解装置」を併せて使用すれば、より効率的な処理システムが可能です。
6.実施例
業 種: | 洋菓子製造業 |
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排水量 : | 1200m3/日 |
設 備: | 回転児雷也R-75型(240m3)×4基 |
スーパー加圧浮上φ3500×2500H
水質
原水 | 放流 | 規制値 | |
---|---|---|---|
P H: | 5~7 | 7.3 | 5.8~8.6 |
BOD: | 2500 | 8 | 20 mg/L |
S S: | 600 | 4 | 30 mg/L |
n-H: | 400 | 3 | 10 mg/L |