メタン発酵とは?排水処理での活用と省エネ・脱炭素のメリットを解説

排水処理・省エネ・脱炭素のお役立ち情報を提供する「エイブルブログ」。今回は、最近CO2削減で注目の「メタン発酵」について解説し、それに関する排水処理技術についても解説します。


目次

最近注目のメタン発酵

そもそもメタンとは

メタン(CH₄)は、炭素と水素から構成される最もシンプルな炭化水素です。常温では無色・無臭の気体で、天然ガスの主成分として家庭用ガスや発電燃料に利用されています。燃焼時のCO₂排出量が比較的少ないため、クリーンエネルギーとしても注目されています。


メタン発酵とは?

メタン発酵とは、酸素のない環境(嫌気条件)で微生物が有機物を分解し、メタンガスを生成するプロセスのことです。食品残渣や生ごみなどの固形廃棄物を対象としたものと、比較的濃厚な排水・廃液を対象としたものがありますが、どちらも廃棄するものからエネルギー(メタンガス)が得られるといったメリットがあります。


メタン発酵の利点

廃棄物の有効利用

家畜の糞尿や生ごみなどの有機廃棄物を利用することで、廃棄物の処理問題を解決します。ごみとして焼却されるはずだったものをバイオガスとして利用することで、ごみの焼却量を減らすことができます。

再生可能エネルギーの生成

発生したメタンガスを回収し再生可能なエネルギー源として利用でき、温室効果ガスの削減にも寄与します。

地域循環型社会の形成

地域のバイオマス資源(家畜のふん尿や生ごみ、紙ごみ等)を活用し、残った発酵残さを地域の農地に還元することで、地域経済の活性化にもつながります。
メタン発酵は、環境に優しいエネルギー生成として、今後、重要な役割を果たすと考えられます。


2.メタンガス化システムとは

メタンガス化システムとは、食品廃棄物・紙ごみ・排水などをメタン発酵により分解し収集し、嫌気条件化(酸素の無い状態)で微生物の働きにより分解し可燃性ガス(バイオガス)を生成し、燃料や発電熱源として利用するシステムです。


メタンガス化の特徴と課題

メタンガス化システムの特徴と課題としては、環境負荷低減、エネルギー回収、残渣利活用、経済性の向上が挙げられます。現在、環境省では、メタンガス化システムの普及を、様々な施策を通して、後押ししています。

メタンガス化システムは以下のようなものがあります。
・食品残渣発酵
・家畜ふん尿発酵
・排水嫌気発酵


固形物対象のメタン発酵 

メタン発酵は、大きく「固形物系」と「排水系」に分けられます。固形物系は対象が食品残渣や生ごみ・家畜糞尿などの固形物であり、有機物濃度が高いため効率が良く、メタンガスが得られるほかに廃棄物の削減ができるのが大きなメリットです。

一方で数十日と長い反応時間が必要なため大きな装置が必要であり、撹拌・加温も必要になります。最大の問題点は処理後に消化液が発生することです。消化液は高濃度の難分解性物質を含むことが多く、排水処理設備に流入した場合大きな負荷となります。一方で窒素やリンといった成分も多く含むことから有効な利用法の開発が望まれています。


排水処理としてのメタン発酵

メタン発酵は比較的濃度の高い排水の処理にも利用することができます。固形物系と異なるのは対象となる排水の量が多いこと、処理後の排水とメタン菌を分離する必要があることであり、このためUASBなどの特殊なリアクターが用いられます。

排水処理としてメタン発酵を利用した場合、処理に伴いメタンガスが得られるだけでなく、電力費の削減、廃棄物の削減といったメリットが得られます。

・電力費の削減
通常(好気性)の排水処理では微生物に酸素を供給する必要がありますが、メタン発酵では不要です。酸素供給のために運転するブロワの消費電力は大きく、排水処理設備全体の50~80%を占めることもありますが、これが不要になるため大幅な省エネが実現できます。

・廃棄物の削減
メタン菌は極めて増殖が遅いことが知られています。処理に伴い増殖した微生物は余剰汚泥として処分されますが、増殖が極めて遅いため余剰汚泥の発生量も少なく、通常(好気性)の排水処理と比較して1/5~1/20程度となります。

一方、加温が必要なことがデメリットとして挙げられます。条件によってはメタン発酵によって得られるエネルギーを加温のためのエネルギーが上回ってしまうこともあり採算性を大きく悪化させる要因となります。

また、油分や固形分などを含む排水はメタン発酵には適さないとされて来ましたが、これは当社の「とくとくーぶぶぶ」により解決することができます。


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まとめ

メタン発酵は、廃棄物や高濃度排水をエネルギー源へと変換できる技術として、脱炭素社会の実現のみならず、循環型社会の構築に対しても大きく寄与することができます。

一方で、加温エネルギーの確保や油分・固形分を含む排水への適用など、運用上の課題も残されています。しかし、当社の『とくとくーぶぶぶ』など技術開発の進展により適用範囲は広がりつつあります。補助金など行政の支援も見込めるため、貴社においてもメタン発酵の活用をご検討されては如何でしょうか。

廃棄物の有効利用や、再生可能エネルギーとして利用できるメタン発酵。最近注目されている理由はご理解いただけたでしょうか。

弊社の排水嫌気発酵方式の下記製品も、脱炭素やサーキュラーエコノミーのニーズ拡大で多くの引き合いをいただいています。

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