今回は、令和7年度春スタートする環境省の再エネ系補助金について解説します。
また、本補助金で排水処理装置を導入するポイントについても解説します。
環境省の再エネ系補助金はいくつか存在しますが、今回は最も使いやすい事業についてご紹介いたします。
1.民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業 の紹介
民間企業等による自家消費型・地産地消型の再エネ導入を促進する補助金です。
事業形態は以下の5つに分かれますので、最適な事業を選択しましょう:
- ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
- 設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業
- 離島の脱炭素化等推進事業
- 新手法による建物間融通モデル創出事業
- データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業
③④⑤は特殊な事業ですので、説明を省略させていただきます。
① ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
初期費用ゼロでの自家消費型太陽光発電・蓄電池の導入支援等により、ストレージパリティ※の達成を目指すものです。
PPAと自社購入のどちらにも活用できます。PPAとはいわゆる屋根貸しのこと。初期費用ゼロで太陽光発電を設置し、15~20年の長期契約で電力を固定単価で調達する仕組みです。
大手電力企業より安価な電力の調達しながら、Scope2(電力)のCO2削減が可能です。
※ストレージパリティ:太陽光発電設備の導入に際して、蓄電池を導入しないよりも蓄電池を導入した方が経済的メリットがある状態
- 補助率:PPA・リース 5万円/kWh、購入 4万円/kWh
事業概要(事務局ホームページ、2ページ目):https://www.env.go.jp/content/000248492.pdf
◆ 設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業
地域の再エネポテンシャルの活用に向けて、新たな手法による自家消費型・地域共生型の再エネ導入を促進するものです。
さらに、以下の5つのメニューが設定されています。
- 地域共生型の太陽光発電設備の導入促進事業(補助率1/2)
- 建物等における太陽光発電の新たな設置手法活用事業(補助額8万円/kW)
- 窓、壁等と一体となった太陽光発電の導入加速化支援事業(補助率3/5、1/2)
- 再エネ熱利用・工場廃熱利用等の価格低減促進事業(補助率1/3、1/2)
- 地域における脱炭素化先行モデル創出事業(補助率3/4、2/3)
(1)(2)(3)は特殊な太陽光発電に活用できます。営農地・水面、カーポート、窓・壁などに太陽光発電を設置する際に活用しましょう。
(5)は熱の再エネを地域単位で大規模に導入する事業が対象です。
◆ (4) 再エネ熱利用・工場廃熱利用等の価格低減促進事業(補助率1/3、1/2)
地域の特性に応じた以下のいずれかの取組に対し、コスト要件を満たす場合に、設備導入支援等を行うものです。
(a) 再エネ熱利用・自家消費型再エネ発電(太陽光発電除く)
(b) 再エネ熱利用
(c) 工場廃熱等利用
【主な対象設備】
- (a) 太陽熱、バイオマス熱・発電、メタン発酵バイオガス熱・発電、風力発電、水力発電
- (b) 地熱発電、地中熱、河川・海水・下水熱、雪氷熱
- (c) 工場廃熱、温泉供給設備更新
【補助内容】
- 補助率: (a)3/4、(b)(c)1/2
- 上限額:1億円((b)(c)は2か年の場合2億円)
- 事業期間:2か年
- 補助対象範囲:工事費・設備費・業務費等の経費
【申請要件】
- CO2削減コストが基準を下回る 他
事業概要(事務局ホームページ):https://www.eta.or.jp/offering/2025/netsu/files/01_gaiyo.pdf
2.排水処理設備の再エネ補助金申請
嫌気性排水処理などのCO2削減に寄与する排水処理装置も、本補助金への申請ができる可能性があります。
嫌気性排水処理はメタン発酵バイオガスですので、(4)の補助金に申請が可能です。
弊社のとくとく・ぶぶぶや嫌気性排水処理は、従来の排水処理に比べて、メタン発酵バイオガスを熱や発電に使用することで、大幅にCO2排出量削減が可能です。
新設・古くなった排水処理の更新・能力不足による増強の際には、再エネ補助金を活用してお得に設備導入してはいかがでしょうか。
とはいえ、排水処理設備を補助金で導入するには大きなハードルがあります。
以下のポイントで事業内容をチェックしてみてください。
【申請要件】
- CO2削減コスト
└ 熱:260千円/ tCO2未満
└ 発電:2,397千円/kW未満 - バイオマス依存度:60%以上
複雑な計算式が設定されていますので、詳細は公募要領をご確認いただくか、弊社にお問い合わせください。
弊社の「とくとく・ぶぶぶ」は、従来の嫌気性排水処理装置が苦手としていた油・たんぱく質・でんぷんなどを含む排水でも、独自技術で処理可能となったシステムです。
食品工場・化学工場・PETリサイクル工場などで排水処理装置の導入を検討されている方は、補助金を活用してお得に設備導入してはいかがでしょうか。
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